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開発保全航路/ホームメイト
陸上の道と同じように、海上でも船が進むために決められた道があります。それが航路です。旅客航路とはその名の通り旅客が運賃を払って目的地に運んでもらうシステムですが、その旅客航路にはいくつかの種類が存在します。決められた特定の人々を、決められた特定の航路で運ぶ「特定旅客定期航路」、不特定の乗客を時刻表にとらわれない範囲で運行する「旅客不定期航路」、フェリーのように決められたルートを時刻表に合わせて運航する「一般旅客定期航路」、そして「開発保全航路」です。ここでは「開発保全航路」について説明します。
開発保全航路とは

開発保全航路とは、海上の交通においての要所であるために、国が開発と保全を行なっている航路のことです。主として港湾と河川の航路に対して、機能を維持していくために障害物の除去やパトロールなどを行なっています。現在の日本では開発保全航路は、中ノ瀬航路、浦賀水道航路などの16航路が指定されています。
- 東京湾中央航路(中ノ瀬航路、浦賀水道航路、中山水道航路)
- 備讃瀬戸航路
- 鼻栗瀬戸航路
- 木島海峡航路
- 音戸瀬戸航路
- 奥南航路
- 細木航路
- 船越航路
- 関門航路
- 蝋蛾ノ瀬戸航路
- 万関瀬戸航路
- 本瀬戸航路
- 平戸瀬戸航路
- 竹富南航路
このうち、関門航路と平戸瀬戸航路と呼ばれる二つの航路が、開発及び保全の両方を行なわなければならないことになっています。それ以外の開発保全航路は、保全のみを行なっている航路になります。
開発と保全とは
開発保全航路には、様々な役割が課されていますが、具体的な内容を説明します。
安全航行のための航路開発
危険が多い場所に船が流出するのを防いだり、航行距離を短くしたりするために、航路を開削しながら航路を開発、改良します。
障害物を取り除く
安全に船舶が航行できるように、岩礁など船の航行の障害になるものを除去する工事を行ないます。
整備した航路の維持管理
航路の中に沈んでしまった沈没船の除去や、不法投棄された粗大ごみなどの定期的な調査を実施しています。また、航路が航路としての役割を十分に果たしているかを調査しています。こうして常に測量やパトロールを行ないながら、航路の安全が保持されるようにしなければならないのが開発保全航路です。船舶が人や物を安全かつスムーズに運ぶことができるように、維持管理しなければならない重要な航路と言えます。